第32回全島獅子舞フェスティバル
2017年11月5日(日) うるま市安慶名闘牛場にて、「第32回全島獅子舞フェスティバル」が開催されました。
獅子舞っていうと
日本ではこんなイメージが一般的ですが、沖縄の獅子舞は
こんな感じです。フッサフサです。
獅子舞の起源はインドや中国等と言われていますが、沖縄の獅子は日本の獅子より、インドや中国の原型に近いようです。チベット、中国の獅子舞は足までフサフサで、完全に着ぐるみ状態なものが主流のように感じます。インドネシアのバリ島にも「バロン」という獅子舞のようなものがあります。こちらはヒンドゥー教の聖獣で、獅子舞と同じように災いを退け、福を招く存在だそうです。
さて、そんな沖縄各地の獅子舞が集まる『全島獅子舞フェスティバル』、開始直後に司会のお姉さんが噛みまくったコトは置いておいて(編集しました)、沖縄県の獅子舞は県内各地に150ほどもある獅子舞ですが、地域によって違う獅子舞の演舞はとても楽しめる内容でした。獅子と戦って手懐けたり、獅子同士がニラミ合ったり、それぞれに物語があります。
〇沖縄市古謝獅子舞
現在の形は、大正中期~末期にかけて完成したと伝えられています。和太鼓集団「古謝飛龍太鼓」とのコラボレーションで、二頭の獅子が勇壮に舞い踊ります。
〇那覇市上間獅子舞
こちらの獅子舞は300年以上の歴史があり、首里王府から拝領したものでしたが、残念ながら戦火で焼失。現在の物は昭和27年に制作された物だそうです。
〇南風原町喜屋武獅子舞
喜屋武(きゃん)獅子舞がいつ頃から演じられてきたのかは不明ですが、演者の系譜から少なくとも120以上の歴史はあるだろうとのことです。小道具を使い、百獣の王の威厳を感じさせる、どっしりとした重厚感のある演舞が特徴です。
〇中城村和宇慶獅子舞
和宇慶の獅子舞も創始は定かではありませんが、200年ほど前から続けられているそうです。毬と戯れる「犬の舞」や、跳んだりはねたりする「鳥の舞」の2つの演目があります。
〇読谷村波平獅子舞
波平の獅子舞は雌獅子とされ、1790年~1800年頃から続いているとのこと。舞の途中、舞台中央で獅子が休むシーンがあるのですが、会場の子供たちから声援が飛んで、それに応えるように舞が再開されました。獅子神さまが喜んでいるように見えました。
〇金武町並里獅子舞
並里獅子舞については、少なくとも100年以上の歴史があったそうですが、明治時代中期に「迷信打破・簡素化」のためとして焼却された、と伝えられており、昭和8年に復活したとのことです。本島南部の獅子の体毛は麻で作られ染色されるのが一般的ですが、金武町を含む北部の獅子の体毛は麻を生成りのまま使用するのが特徴。演武も野生っぽく、獅子と人間の力関係などが表現されます。
演舞の最中に聞こえる合いの手や指笛は、すべて会場のお客さんからのもの。舞台と客席が一体となって盛り上がるイベントでした。
さて、わたくし、取材に行きながら夢中になって時間を忘れてしまっていたのでしょうか、すべての演目が終了し、さぁ会場のお客さんにインタビュー……!! って、もうかなりのお客さんが帰ってしまってる! みんな早いぞ!