伝統・歴史・文化

はいさい!とみぐすく 高安のビジュル @ FMとよみ

2018.11.27

2024.01.31

伝承によてば、高安のガンはもともとテーラシカマグチが唐旅の際に持ち帰り「沢岻」に与え、沢岻家に収められていたが、蔵の中にあった獅子とガンが毎晩激しく喧嘩をしたため、ガンは高安近くに捨て、獅子は我那覇へ譲った。高安ではそのガンを「西外間(イリフカマ)」の屋敷裏に保管したが、後にガンヤー(またはコーヤーともいう)を建てて納めたという。
ガンゴウ祭の年は通常の年と同じように御願を行った後、ガン屋の扉を開き花米と酒を供え拝してからガンを取り出し、公民館に運んで組み立てる。これをウンケー(お迎え)という。
組み立てられたガンは公民館の前庭に据えられ、その前で棒術と組踊を奉納する。
これはガンの精霊を鎮め慰めとともに、字内の悪霊を追い払う意味があるという。
「ビジュン」とはビンズル・ビッチュルとも呼ばれていて、霊気の宿った石(霊石)の事をいう。
豊見城村史によると、イビ(御嶽の中心にある神祀る所)から転じて、イビカナシ➝イビジュル➝ビジュル➝ビンヅルになったのではないかと書かれている。
水に浮いていたり、地中から掘り出された石がおおく、主に子宝に恵まれたり、子どもの健康を祈願したり、また豊作を願うところもある。
一説には「びんずる」が訛ったものとされている。
ビンズルとは、お釈迦さまの弟子のなかで特に熱心で優秀だった人の事で、日本ではこの人の像を撫でると病気が治ると言われている。
沖縄では特に中南部で行われていた「名付け親」の行事に大きくかかわってきた。
ここには面白い言い伝えがある。
昔、兼城間切の若者ふたりが神酒を首里へ届ける際、この場所で休憩をとっていた。
ひとりは「神酒を軽くしてほしい」と願いをかけたのに対し、もう一人は「力を出させてほしい」と願った。
すると軽くしてほしいと願った若者は神酒を運ぶ途中で桶に掛けた縄が切れ、一方、力を出させてほしいと願った若者は無事に首里まで神酒を届けることができたという。
また、別の言い伝えでは、昔、保栄茂掟ビンウチ(地方役人)を務める者に病気や不慮の死が続いたので、金良の西平のタンメー(爺さん)が保栄茂の役人になった時、この場所に来てビジュンに願いをかけると無事に任期を終えたという。
沖縄では主に「子どもの守り神」という考えがあり、子どもを連れ、無事な成長を願う場所ともされている。
映像提供:FMとよみ

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