第3回 仲順流り大会
2017年 10月8日
北中城村で「第3回 仲順流り大会」が開催されました。
県内各地で行われるエイサーで耳にする「仲順流り」。
沖縄県民なら誰も知っている「仲順流り」は、発祥地である仲順の人たちの誇りなのでしょう。
この仲順には昔、「仲順大主」という偉い学者さんが住んでいて、その息子3人の親孝行の心を試そうとしたエピソード(※)が歌の基となっているそうです。また、琉歌は「八・八・八・六(サンパチロク)」調で歌われるのが基本ですが、仲順流りは「五・七」調になっていて、琉球にエイサーの基となる念仏踊りを伝えた仏僧「袋中上人」の影響をそのまま継承しているのかも知れません。
三線以外の楽器で参加してもいいみたいなので、みなさんも是非、得意な楽器で参加してみてはどうでしょう!?
(※)仲順大主のエピソード
昔々、仲順大主という偉い学者さんがいました。仲順大主には妻がいましたが、3人の息子を残して早くに死んでしまいました。仲順大主は1人で3人の息子を立派に育てあげ、息子たちはそれぞれ結婚して子供を授かりました。
年老いた仲順大主は、自分の財産の相続について心配になり始めます。3人の息子の誰に相続させようか………と悩んだ末に一計を案じました。
「息子たちよ、私はもう年老いてまともな食事も食べられない。だからお前たちの子供に与えている乳を私に飲ませてくれないか? 私はその乳で今後生きていくつもりだ。もちろん、子供に飲ませる乳は無くなるから、子供は死んでしまうだろうが………」
これを聞いた息子たちは動揺し、怒り始めました。
「何をバカなことを! 気でも狂ったのか!? 孫よりも自分の命が大事なのか!」
長男と次男は帰ってしまいました。しかし、三男は肩を震わせてその場に残り
「子供はまた授かることが出来るでしょう。でもお父さんはこの世に1人しかいません。お父さんが望むなら、私は子供を捨てましょう」
と、涙ながらに言いました。すると仲順大主は笑顔で三男に
「お前は親思いの良い息子だ。では、三本松の根本を掘って子供を埋めてきなさい」
と命じました。三男は子供を抱いて三本松に行き、泣きながら根本を掘ります。すると、木の下からは沢山の金銀財宝が出てきました。そう、仲順大主は息子たちの親を思う気持ちを試したのです。財産は三男に受け継がれ、仲順大主は死ぬまで、三男家族(孫も)と一緒に暮らしたということです。
解釈には一部諸説があるようですが、概ね上記のような物語です。エイサーの中には、こんなエピソードが含まれている歌もあるんだな、と思うとまた新鮮な気持ちになります。
さすが、発祥の地!