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空手ニュース

 

  • 23.-2012年6月15日-



    けが克服 最後の夏

     高校最後の総体は、右膝の大けがを乗り越えて迎える。空手道新人大会で
    3冠を達成しながら、その時のけががもとで7ヵ月間競技から離れている玉城千裕(首里)。
    「万全ではないけれど、練習を頑張ってきた。自分を信じる」と決意をにじませる。
     2年で出場した昨年の全国総体は個人形で初戦敗退、悔しさを味わった。
    気持も新たに臨んだ昨年10月の新人大会個人組手準々決勝で右膝を負傷する
    アクシデントは起きた。
     痛みに耐えながら競技を続けて組手を制し、個人形、団体形で県内一の座をつかんだ。
    だが、直後の診断で右膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂、側副靱帯を含む3カ所を
    損傷していたことが分かった。全治1年。11月の九州大会はおろか、その後ほぼ全ての
    大会出場を諦めざるを得なかった。
     7ヵ月間をひたすらリハビリと技術習得の時間に充てた。
    下半身の筋力トレーニングや右足の加圧トレーニングで骨盤回りを安定させ、
    男子団体形日本代表の沖国大トリオの演武を見学して技術を盗んだ。
    「自分の体に筋肉がついてくるのが目に見えて分かり、筋トレが楽しくなった。
    先輩の演武を見続けることで、目つきや気迫の出し方、苦手な部分での力の
    出し方を学べた」
     県内大会には必ず足を運び、コートサイドでライバルの演武を見学して
    気持ちを奮い立たせた。今年3月に岡山で行われた全国選抜にも出向き
    「自分がコートに立つ姿」をイメージした。「母が、けがをしても出来ることがある
    と言っていた。この7カ月を自分なりにやってみたら、母の言う通り収穫が
    たくさんあった。けがをして良かったと今は思える」と笑顔で話す。
    伊禮光国監督は「精神的に強くなった」と玉城の変化を語る。
     自分を励まし続けた母京子さんと、伊禮監督を全国総体に連れて行くことが
    今の目標だ。「総体では絶対に勝ってやる、としか思っていない」と玉城。
    全国への一歩となる県総体で、最強の座を再び奪いに行く。

    2012年5月30日 琉球新報掲載 
    「自分の気持ちが一番乗せられる形」というアーナンを演武する玉城千裕(首里)


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