沖縄空手の特徴としては、古く古伝空手の頃から、先人たちが伝え継承してきた「型」の稽古や鍛錬法を重要視し、組手の練習においては当身(直接攻撃)と掴み投げの使用を採用している。沖縄空手は沖縄古武道とも一体の面があり、多くの沖縄空手道場で古武道の棒術やサイ、ヌンチャクの修行は普通に行われている。武器術や取手術、関節術なども合わせて継承されており、総合的な武術である。ちなみに本土系のスポーツ空手では寸止めを基本ルールとしている。
当然のことながら、糸洲安恒が学校教育の場に沖縄空手を普及させるに際して、急所攻撃や関節技など、沖縄空手の一撃必殺の技を秘める過激な攻撃技は改良され琉球王国時代の空手とはいくらか異なっている。逆に現在、各流派の道場で受け継がれている沖縄空手の多くはそれ独自の型や鍛錬法などをかたくなに守り継承してきたことにより実践の形で伝えられている。それは伝統を重んずる沖縄空手の担い手の武術家として大きな誇りとなっている。
古流空手(古伝空手)の先人たちから伝承された技や稽古方法が実践保存されている沖縄空手の流派は、単独組織を維持し本土よりも世界各国に、より多くの支部道場を持ち、世界60ヶ国余に広まっている。世界から「生涯に一度は空手発祥の地・沖縄で修行したい」という一途な思いで沖縄の道場を訪れる空手愛好家が後を絶たないのも現実である。
沖縄空手の流派には、「沖縄剛柔流・上地流・小林流・少林流・少林寺流・松林流・本部流・沖縄松源流・沖縄劉衛流・劉衛流」などがあり、本土の空手会派とは組織形態が異なる。