9月17日、沖縄県立博物館・美術館にて、円覚寺仁王像(復元模造品)の初公開記者会見が行われました。
今回復元された仁王像は、平成27年度に行われていた琉球王国文化遺産集積・再興事業により令和2年度に復元されました。記者会見では、主に琉球王国文化遺産集積・再興事業の事業説明や円覚寺仁王像の模造復元までのあゆみ等が説明されました。
また、沖縄県内の報道関係者が多く集まっており、仁王像復元への注目度が高いことが伺われます。仁王像は、15世紀に創設された円覚寺の総門に設置されていましたが、沖縄戦の爆風でバラバラになり、13の部材のみ残りましたが、当時を知る人の聞き込み調査や化学分析、類例調査等を重ね、様々な困難を乗り越え、現在の復元へと至ります。単に姿かたちを取り戻しただけでなく、戦争で失われた文化の復興を物語っていると言っても過言ではありません。また、関係者は、今回の復元手法は消失した首里城にも応用できるもので、仁王像初公開を通して、失われた文化も取り戻すことが出来ることを強く発信していきたいと語ります。
沖縄での公開はまだまだ先になりますが、10月17日に九州国立博物館にて一般に初公開されます。
取材日:2021年9月17日
場所:沖縄県立博物館・美術館